これは一体なんなのか


先日も書きましたが
現実と非現実の境い目
多分小学生くらいまでは
ほぼなかった気がする
想像したものは
目の前に現れたし
世の中がどうできているかなど
全く知らなかった
昔の新聞の記事で
今でも切り抜いて持っているものがある
ある老人のもとに
子供が息をきらして駆け込んで来て
目をキラキラさせながら
アポロが月へ辿り着くニュースを伝える
けれども老人は
凄い剣幕で怒り出すのだ
おまえはこの老い先短い老人の
死んだらあの雲の上に召される
というささやかな夢を奪う気か

未だに僕はたまに
その記事を取り出して読むことがある
大切なのは
何か
地球は
丸い
科学的にはそれが正しいだろうが
物語の世界では
地球は平らなほうがしあわせだ
地の果てまで旅をして
気付いたらもとの場所に戻っていたら
なんとも切ないもの