16日


しばらくはずっと
僕の絵です
ハモニカ横丁にお世話になりだしたのは
25くらいの頃でしょうか
まだ飲食は「ハモニカキッチン」1店舗しかなく
公園口の現在「天下一品」になっているところがVIC2号店で
その地下にひっそりと
「2カフェ」なんてものがありました
山積みにされた電化製品たちをかき分けて
奥の階段をおりると突然存在するカフェ
看板も出ていないし
当然お客さんがいる訳でもない
運良く見つけて
しかもそんな謎な空間に踏み込む勇気のある人しか辿り着かない
不思議な空間でした
電気屋の地下に突然カフェがあったら面白いじゃん
そんな理由だけで
当時の手塚さんはお店をやっていました
自分でスタジオを借りてやっていたレッスンと
専門学校とぽちぽちやって来るダンスのお仕事で食べていた僕は
生活は安定していたものの
とにかく時間が有り余っていたのです

ハモニカ横丁を覗くと
1店舗だけあたたかい灯りをもらしているお店があって
お世辞にもきれいと言えない狭い通路をはさんだ2つの店舗のあいだを
たまに若い女の子がゆったりとマイペースに行き来する
当時まだそこまで人のいなかった吉祥寺の街で
そこだけ
なんだか特別な空間
言うなれば違和感
なぜこんなところにこんなものが

ハモニカキッチンの隣
現在「てっちゃん」の部分は魚屋さんでしたし
今のようにおしゃれなお店は全くありませんでした
中央線独特の庶民的な空間
生臭さと古くささ
薄暗さ
そしてぽつりとみえる赤提灯と酔っぱらいの声
そのなかに突然
なんともゆったりとしたあたたかな空間
その違和感に
気付いたら次の日には面接に行っていました
つづく
気がする