涙目のうさぎ

うまいこと収まったものであります。

いい具合に体が固定されて

顔を預けるは柔らかな鼻。

わたしもこういうところが好きです。

すっぽり収まれるような、

ベッドと壁の隙間とか

ふとんが積み上げられた押し入れの、天井とのわずかな隙間とか

そういったところに

気づけば頭を突っ込んで

膝を丸めて

眠り込んでしまったり

そういうのが好きなんです。

今日わたしが涙目なのは

フジファブリックを聴きながら追悼のお香を焚いているからです。

彼が同郷の人だと知ったのは

亡くなったあとでした。

静かな部屋に流れる歌声の

その声の主がもういないのだと

そう思うといてもたってもいられなくて

どこかわたしにぴったりの隙間はないかと目を彷徨わせているのです。